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悪性中皮腫細胞とBNP:データと診断の臨床的意義

最近サボっていたので久しぶりの更新です。


V. Tsolaki, et al. Respirology 2020 Mar2[Online ahead of print]

PMID: 32124515

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/resp.13788

Background and objective:

中皮細胞と心筋細胞は共に中胚葉起源である。悪性中皮腫細胞もBNPを分泌するかどうかを調査した。


Methods:

Part I(前向き): 悪性中皮腫の胸水(MME,13)をもつ患者と胸膜病変を伴う悪性胸水(MEa,14)で比較。胸膜病変のない悪性胸水(MEb,16)と非癌性胸水(NME,25)の年齢が一致した患者を分析。

Part II(後ろ向き):中皮腫(14)、肺癌(8)、心不全(9)の胸水、血液/血漿のBNP測定

Part III: 良性(MeT-5A)および悪性中皮腫細胞株(M14K-上皮型, MSTO-二相型,ZL34-肉腫型)の培養上清でBNP評価(3つの異なる生物学的複製の細胞株毎に10例ずつ)


Results:

BNP濃度はすべての悪性細胞株の上清で良性細胞株よりも有意に高い(P <0.01

悪性細胞株からのBNPの生産を示している。

パートIおよびパートIIで悪性中皮腫の胸水と血液のBNP比は非常に高い

 (それぞれ28.3±12.1および25.9±8.6

パートIの悪性胸水と非癌性胸水では

(それぞれ1.1±0.3および0.4±0.1P<0.0001

パートII悪性胸水と非癌性胸水では

 (それぞれ0.8±0.1および0.4±0.1P <0.0001

パートIにおいて

BNP≥2.11 悪性中皮腫の感度が92%、特異度が94.5P <0.0001)。


Conclusion:

BNPは悪性中皮細胞から分泌される。臨床診療では、胸水と血液のBNP比は悪性中皮腫の診断に役立つ



BNPは悪性中皮腫以外の悪性胸水や非癌性胸水ではあまり上昇しないんですね

胸膜中皮腫の場合では胸腔鏡などで播種のリスクも考えてしまうのでいい方法にはなりそうですね。

あくまで診断補助ですが…


by k-lungblog | 2020-03-08 17:32 | 悪性胸膜中皮腫 | Comments(0)